あなたは、これから不動産の購入を検討していて、まさに不動産会社のホームページや不動産ポータルサイトを見ながら物件を探しているところでしょうか?
また、これから不動産の売却を検討している方は不動産査定をお願いして査定結果を待っているところだと思います。
不動産売買で一番高い経費は仲介手数料です。
購入を検討している方は仲介手数料を計算できれば、購入金額の総額がわかるので住宅ローンの借入金額の目安にもなりますし、売却を検討されている方は手残りの金額が解りますので、それにかかる税金の計算も目安がつくでしょう。
そこで、今回はプロの不動産屋さんが使っている簡易計算式を紹介します。この簡易計算式で簡単に仲介手数料を計算できますので、ご参考にして下さい。
目次
仲介手数料を計算してみる
国土交通省は「宅地建物取引業者が宅地又は建物の売買等に関して受けることができる報酬の額」を定めています。
平成26年2月28日改正(平成26年4月1日施行)
売買価格 (消費税を含まない) |
仲介手数料 (消費税を含む) |
200万円以下 | 5%+消費税 5.4%以内の額 |
200万円超~400万円以下 | 4%+消費税 4.32%以内の額 |
400万円超 | 3%+消費税 3.24%以内の額 |
仲介手数料を計算する時は3つの価格帯によって仲介手数料の利率も3つに分かれています。売買価格が1,000万円だったとして上の表に基づいて計算してみます。
売買価格が1,000万円の時
売買価格 (消費税を含まない) |
売買価格が1,000万円時 それぞれの価格 |
仲介手数料 (消費税を含む) |
200万円以下 | 200万円 | 5%+消費税 5.4%以内の額 |
200万円超~400万円以下 | 200万円 | 4%+消費税 4.32%以内の額 |
400万円超 | 600万円 | 3%+消費税 3.24%以内の額 |
計算式
200万円以下⇒200万円×5.4%=108,000
200万円超~400万円以下⇒200万円×4.32%=86,400
400万円超⇒600万円×3.24%=194,400
それぞれの価格帯の仲介手数料を足していきます。
108,000+86,400+194,400=388,800
売買価格1,000万円の仲介手数料上限額は388,800円です。
3つの価格帯に分けてそれぞれ計算するのはとても面倒ですので、通常は簡易計算式が用いられます。
仲介手数料を簡単に計算できる方程式はこちら!
売買価格 × 3% + 6万円
3%+6万円ってなに?
「3%+6万円」の6万円が今回のポイントになりますので説明していきます。もう一度、国土交通省の仲介手数料を見てみましょう(※説明しやすいように税抜にしてます)
売買価格 | 仲介手数料 |
200万円以下 | 5% |
200万円超~400万円以下 | 4% |
400万円超 | 3% |
ここでもう一度上の表に基づいて売買価格が1,000万円の時の仲介手数料を計算して見ましょう。
売買価格 | 売買価格が1,000万円時 それぞれの価格 |
仲介手数料 | 区分の仲介手数料 |
200万円以下 | 200万円 | 5% | 10万円 |
200万円超~400万円以下 | 200万円 | 4% | 8万円 |
400万円超 | 600万円 | 3% | 18万円 |
売買価格を1,000万円で仲介手数料を計算しましたが400万円を超える売買代金のときはそれぞれの価格帯は200万円で固定されることが上の表でわかると思います。
計算式
200万円×5%=10万円
200万円×4%=8万円
600万円×3%=18万円
今度は「仲介手数料」と「区分の仲介手数料」の欄を注目して下の表を見てください。
売買価格 | 売買価格が1,000万円時 それぞれの価格 |
仲介手数料 | 区分の仲介手数料 |
200万円以下 | 200万円 | 5%=3%+2% | 6万円+4万円 |
200万円超 400万円以下 | 200万円 | 4%=3%+1% | 6万円+2万円 |
400万円超 | 600万円 | 3%=3%+0% | 18万円+0万円 |
仲介手数料を3%で固定した場合、それぞれの価格帯で仲介手数料の差がでます。
- 200万円以下の売買価格帯⇒2%なので4万円の差
- 200万円超~400万円以下の価格帯⇒1%なので2万円の差が出ます。
(200万円以下の売買価格帯の4万円)と(200万円超~400万円以下の価格帯の2万円)のそれぞれの差をたすと6万円になります。
それぞれの価格帯の差額分です
プロは消費税も簡易計算に組み込みます
ここまでの計算は「3%+6万円」の説明をわかりやすく説明するために消費税は考えないで説明しましたが、実際に仲介手数料には消費税がかかります。消費税を含めた仲介手数料の総額が解らないと、何の意味もありませんね。ただそこまで難しく考える必要はありません、下記の計算式を見てもらえれば解ると思います。
売買価格×3.24%+6.48万円
それぞれ「3%」と「6万円」に8%の消費税(1.08)を掛けたものです。
それでは5秒で仲介手数料を計算してみましょう
»2000万円の仲介手数料は?
2000万円×3.24%+6.48万円=712,800円
»1234万円の仲介手数料は?
1234万円×3.24%+6.48万円=464,616円
»650万円の仲介手数料は?
650万円×3.24%+6.48万円=275,400円
»380万円の仲介手数料は?
380万円×3.24%+6.48万円=187,920円 ???
大事な事をお伝えしていませんでした
簡易計算「売買価格 × 3.24% + 6.48万円」の方程式は400万円を超える売買価格じゃないと使えません。。。
400万円以下の計算式は以下となりますので参考にして下さい。
200万円以下の場合
売買価格が1万円~200万円の売買価格で仲介手数料を計算する時は下記の簡易計算式です。
200万円超~400万円以下の売買価格
201万円~400万円までの売買価格で仲介手数料を計算する時は下記の簡易計算式です。
最後に380万円の仲介手数料を計算してみましょう
∴380万円の仲介手数料は?
380万円×3.24%+6.48万円=187,920円 ???
380万円×4.32%+2.16万円=185,760円 ←これが正解です
まとめ
- 不動産の価格は地域や物件によって様々ですが、売買価格が400万円以上じゃないと「3.24%+6.48万円」による簡易計算できませんのでお気をつけてください
- 6万円はそれぞれの価格帯の差を足したものになります。
- 「200万円超~400万円以下」の売買価格の時は「200万円以下」の売買価格との差は2万円になるので4.32% + 2.16万円となります。
計算になれる必要もないと思いますが、なれてくると5秒くらいで仲介手数料を計算できるようになります。兄弟や親戚などお知り合いの方が不動産を検討されている場合は仲介手数料をスマホで「ササッ」と計算してみてください、喜ばれると思いますよ